家づくりQ&A

Q&A『平屋でも2世帯住宅は可能?』

2024.09.18

こんにちは。長沢です。

近年の日本においては少子高齢化による人口減少や核家族化が進む中、高齢者の単独世帯が増加傾向にあります。
独居高齢者は孤立、貧困、鬱の割合が高く孤独死の可能性さえあります。
そんな暗い将来さえ見据えられていますが二世帯住宅であれば親世代の老後や自身の老後に対しての不安の解決になるかもしれませんよね。
またそのような老後の心配からもワンフロアで生活が完結し、バリアフリー化がしやすい平屋はむしろオススメと言えますが、二世帯住宅には大きく分けて3つの間取りが選択肢としてあります。

 

1.完全分離型

親世帯・子世帯のスペースを行き来できない二世帯住宅の間取りであり、すべての設備を原則として共有しません。
上下階で区切るなどレイアウトのバリエーションは豊富ですが平屋の場合は左右で区切ることになります。
玄関・水回り・リビング・居室を二つずつ設けることで家がそのまま隣接するようになる為、お互いの暮らしを尊重しプライバシーを守りたい家族向けです。
メリットはお互いに気をつかわずにライフスタイルを貫けるところにあります。
上下階で区切るタイプの完全分離型の場合、水回りなどで発生する音や居室からの振動など上階からの影響をライフスタイルの違いからストレスに感じるデメリットがありますが、
平屋のように左右で区切るタイプの場合は問題ありません。
デメリットとしては二軒分になる為、建築面積が大きくなり費用がかさんでしまうことです。


(スロープと階段の二方向からアプローチできる玄関)

 

2.部分共有型

玄関やリビング、水回りなど家の一部の設備を共有する間取りです。
部分共有型はライフスタイルに合わせて間取りを組めることが魅力的で、
例えば玄関・リビングは共有して水回りを分ければ、ライフスタイル(生活時間帯)の違いからお風呂に入るたび都度追い炊きする必要もなくなります。
メリットは建築費用を抑えることができつつもプライバシーも守ることができます。
ただし事前に家族同士どこまで空間やものを共有できるか、コミュニケーションをとる場とプライベートな場はどこまで分けるか、暮らし始める前に慎重に話しあう必要があります。


(親世帯子世帯がつながる玄関とホール、間仕切り1枚で行き来が可能。)

 

3.完全共有型

居室以外の設備を共有する間取りです。親世帯・子世帯でコミュニケーションを取りやすく、
お互いの家事や子育てを協力し合いながら暮らすことができます。
またリビングや水回りなど共有するものが多い為、建築面積が小さくなり建築費用を抑えることができるほか、家電製品も共有することで建築後の費用も抑えることが可能です。
しかし、ほとんど同居に近い為、光熱費や食費などの費用負担も明確にする必要があります。


(仏間と神棚を再利用。各居室を居心地よく、安心できる場所に。)

 

各世帯のプライバシーを確保するならば1.完全分離型→2.部分共有型→3.完全共有型の順ですが、冒頭でお話しした社会的な将来の問題解決をするには順番は逆転しますし、
コミュニケーション重視とプライバシー重視は紙一重である為、よく検討が必要です。

また二世帯住宅では、遠かれいずれ訪れる現実として親世帯の死別により親世帯側が空き家になってしまうことが挙げられます。
一般に完全分離型は隣り合った二軒分である為に売却や貸し出しが容易ですが、
共有しているタイプの二世帯住宅である場合、子世帯が住み続けている場合の貸し出しはおろか売却も困難であることが想像できるかと思います。
共有しているタイプの場合は将来的にリノベーションをして間取り変更のしやすい計画をあらかじめしておくなど、将来の運用方法も見据えて二世帯住宅を検討することが重要です。

千葉市、印西市、八千代市周辺で平屋をご検討する際は、是非DAISHUにご相談ください。
二世帯住宅も豊富な実績がございますので、お役立ちさせて頂きます。

どうぞよろしくお願いいたします。

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この記事を書いた人
長沢 逸郎
住宅アドバイザー

二級建築士/宅地建物取引士